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2019年7月12日に星海社の星海社FICTIONSレーベルより単行本が発売。イラストレーターは坂月さかな。前述31作品が収録され、それぞれの作品にYouTubeでの配信アーカイブへのリンクが埋め込まれたQRコードが付されている。作品のほかには渡辺による一ページの「附記」が掲載されている。
作品は2019年5月1日から5月31日まで毎夜0時頃から『[[渡辺浩弐のノベライブ]]』として行われたYouTube Live、ニコニコ生放送での生放送中の生執筆で書かれた。31日の執筆で31作品が生まれた。これらの完成作品は当日中に渡辺のぷらいべったーのアカウント ( <ref>https://privatter.net/u/kozysan )</ref>に投稿された。
なお、[[渡辺浩弐のノベライブ]]・第31夜 最終回 ( <ref>https://www.youtube.com/watch?v=EV8DWWr4Emk )</ref>にて『令和元年のゲーム・キッズ』シリーズの次回作として『[[ガン・キッズ]]』の開始が宣言され、予告編と思われる文章が執筆された。定寿法をテーマとしたショートショートシリーズ『令和元年のゲーム・キッズ』の舞台をそのままに長編作品となる模様である。
以下には『令和元年のゲーム・キッズ』が持つ特徴について記したい。
月刊ニュータイプ2019年10月号(2019年9月11日発売)にはおーちよーこによる渡辺へのインタビューが掲載されている。渡辺は映像コンテンツがネット配信の台頭によりスピーディになっていることを受け、YouTuberの速度感覚を『千夜一夜物語』のシェヘラザードにたとえている。毎日発表された『令和元年のゲーム・キッズ』は、飽きられないように語り続けるその速度に小説家として付き合っていけるかどうかを試したものだと述べている。
作品の執筆のほとんどは音声入力によって行われた。もともとは「しゃべりまくりながら書く方法として」用いられたものだったが「小説執筆に音声入力を使うと劇的に効率が上が」ったとのことである(<ref name="kozying536">[[渡辺浩弐の日々是コージ中]] 第536回 ( https://nikkan-spa.jp/1574998 )より)</ref>。また、「スマホだけで[編註:スマホの音声認識機能を使うだけで]いきなり面白い小説を書いてデビューしちゃう人もいるだろう」。「今後は、音声入力を活用して作家になる人が激増するはずだ。そんな執筆風景をそのままライブ配信する人が増えたら、小説家とYouTuberの境界はなくなっていくかもしれない」(同回より)<ref name="kozying536"></ref>とも述べている。
これは、物語がかつては講談などのライブ形式のものだった「「話芸」への寄り戻し」とみることができると述べている(<ref name="kozying537">[[渡辺浩弐の日々是コージ中]] 第537回 ( https://nikkan-spa.jp/1583294 )より)</ref>
'''2.配信動画がアーカイブで残ること'''
毎晩リアルタイム執筆が行われた発表形式について渡辺は、以下のように述べている(2019/04/29 23:30から行われた<ref>[[渡辺浩弐のノベライブ]]・第0夜 ( https://www.youtube.com/watch?v=3iAT_xC3cJ8 )より)</ref>。これと同内容が渡辺のエッセイ[[渡辺浩弐の日々是コージ中]] 第534回 ( <ref>https://nikkan-spa.jp/1571540 )」でも書かれている。</ref>でも書かれている。
*「物語」が生まれる瞬間について考えてもらいたい。
これらはリアルタイムに視聴していた読者に対しても伝わることだが、これから『令和元年のゲーム・キッズ』を知る未来の読者に対しても伝えたいことのようである。
単行本とともにアーカイブ動画が残ることに対して「その本に載っている小説の全てについて、その執筆プロセスを動画として確かめることができるようになるわけだ。これは世界初のことだと思う」、「10年後、20年後、あるいは100年後、ぼろぼろになった本を誰かが手にしてめくってみて、もし面白いと思ってくれたら、(…)その小説がまさに生まれるその瞬間の映像が出てくるはずだ。これ、ちょっと面白いと思いません?」と述べている([[渡辺浩弐の日々是コージ中]] 第536回 ( https:<ref name="kozying536"><//nikkan-spa.jp/1574998 )ref>より)。
単行本発売時には紀伊國屋書店新宿本店にてフリーペーパーが配布された。フリーペーパー記載の渡辺の文章には「紙の本で読んでください。」と題が振られている。100年後にこの本が読まれた際、執筆時の動画を視聴し、どのような意図を込められて書かれた作品かを確認できる。時間と空間を超えてつながることは、デジタル環境が既存メディアである紙を進化させていくことではないかと書かれている。
『令和元年のゲーム・キッズ』は完全に個人製作のシリーズとして開始された。今までのSFショートシリーズは出版社による雑誌、ウェブサイトで発表がなされていたため、これは初のこととである。
単行本化までの、個人でのライブ配信→出版社の人間にツイッターで声をかけてもらう→書籍の刊行決定という流れは「お金がなくても、無名でも、学歴も友達も何もなくても。この方法なら誰にでもできるはずだ」([[渡辺浩弐の日々是コージ中]] 第537回 ( https:<ref name="kozying537"><//nikkan-spa.jp/1583294 )より)ref>としている。
ただし、渡辺と単行本の版元である星海社は『[[死ぬのがこわくなくなる話]]』を当初は星海社サイトで発表予定だったが、渡辺のツイッターアカウントでの連載に切り替え、個人制作のものとして振舞ったことがある。『[[死ぬのがこわくなくなる話]]』の単行本化も連載終了後に決まったとした流れがあった。もちろん、連載は星海社サイトで行うが単行本化は決まっていなかったと見ることもできるが、この流れは不自然でもある。『令和元年のゲーム・キッズ』に関しても実際は発表開始前から単行本化が決まっていたの可能性がある。
2019年8月5日に東京カルチャーカルチャーにて、渡辺浩弐『令和元年のゲーム・キッズ』2019年8月5日に東京カルチャーカルチャーにて、「渡辺浩弐『令和元年のゲーム・キッズ』(星海社FICTIONS)刊行記念! 豪華声優朗読ライブ&本書 解説トーク! ( 」<ref>http://tokyocultureculture.com/event/general/27995 )</ref>が開催された。渡辺と担当編集者である太田克史のトークの他、声優である関俊彦と加隈亜衣による作品朗読が行われた。朗読作品は朗読順に、関俊彦による「[[10億人の道連れ]]」、加隈亜衣による「[[完全なるアイドル]]」、関・加隈二人による「[[犬も食わない]]」、関・加隈二人による「[[猫の小判]]」。
== シリーズに属する作品 ==
:渡辺浩弐『令和元年のゲーム・キッズ』(星海社FICTIONS)刊行記念! 豪華声優朗読ライブ&本書 解説トーク! ( http://tokyocultureculture.com/event/general/27995 )にてデジタル配布。
== 出典、リンク ==<references />
[[カテゴリ:主題|れ]]

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